ニューヨークではアパート空室率が低いので部屋を探すのは困難ですが、いつも帰ってくる家だからこそ納得のいく物件を選んで、快適な生活を確保しましょう。

物件の種類

  • アパート(Apartment)
  • 一般に賃貸アパートを指します。アパートの大家は冷蔵庫やレンジ、暖房施設を設備する義務があります。テナントと大家、それぞれの入居基準や条件があえば数日間で入居できます。
  • コープ (CO-OP)
  • 建物を所有する会社の株を購入し、賃貸権を得る住宅。運営に関する規則の下、その居住者の中で選ばれたboard of directors(委員会)が、新しい入居者の権利取得や入居資格を厳しく審査します。建物の不動産やモーゲッジは会社で管理され、それぞれの住居者が毎月メンテナンス費用などを分担します。
  • コンドミニアム (Condominium)
  • 日本の分譲マンションに類似し、各ユニットの所有者は不動産権利を持ちます。CO-OPに比べると、リノベーションや売買、賃貸、売却も比較的自由ですが、メンテナンスなどは自己負担になる場合が多くなっています。賃貸する場合は個人オーナーとの取引となります。

物件探しの要点

情報源

情報の手がかりとして、NYタイムズの日曜版、毎週火曜日発行のヴィレッジ・ボイス、毎朝発行しているAM ニューヨーク、デイリー・ニュースなど、新聞各種で物件を検索できます。また、日系コミュニティーサイトの掲示板、ニューヨーク・クレッグズリスト (newyork.craigslist.org) など、インターネットを活用するのも有効的です。手数料を払えば一定期間ルームメイト募集の情報が得られるシステムや、家賃や部屋数など諸条件を指定できるシステムもあります。その他、日系スーパーなどの掲示板では「入居者募集」の貼紙を目にすることもできます。

不動産会社

希望の広さ、家賃の希望とエリアを伝えれば、物件がリストアップされ、効率よく物件が見つかります。学生や渡米間もないため必要な書類が足りないなどのケースにも上手く対処してくれます。不動産会社への手数料はロケーションによって異なりますが、マンハッタンの場合、年間の家賃総額の平均15%(約 1.8ヶ月)を支払う必要があります。入居における様々な手配を迅速に行なってくれますが、入居後のトラブルは当事者の対応となるので心得えておくとよいでしょう。

部屋を見極める

日当たりなどを確認するために、部屋を見に行くのは日中がお薦めです。水まわり、床や壁の状態、収納、照明、冷蔵庫の有無、安全面(ドアや格子の状態)などがチェックポイントとなりますが、交通の便、周囲の食料品店やランドリー、銀行などの所在や、家賃に含まれるもの(暖房やホットウォーターなど)、契約時に必要となる料金や条件もあらかじめ確認しておくとよいでしょう。治安については、昼と夜のアパート周辺の雰囲気は違うため、実生活からあまり馴染みのないエリアであれば一度夜に周囲を歩いて、近隣の様子を確かめておくのがよいでしょう。

信用調査・審査

大家や不動産会社が居住希望者を選考する場合もあり、パスポートや免許証などの身分証明のコピー、仕事先からの書類(employment letter)、家賃の支払い能力を証明するものとして各種タックス・フォーム、クレジットヒストリーを調査するためにソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)などの提出が求められます。さらにニューヨーク州(あるいは米国内)に在住する保証人の所得証明が求められることもあります。いくつかの書類を用意できない場合、家賃をまとめて納入することで対応できる場合もあります。

契約

契約期間は普通1から2年で、更新時には家賃が値上がりする場合もありますが、レント・コントロール(rent-controlled)や、レント・スタビライズ(rent-stabilized)の対象となっている物件では大幅な値上げはありません。但し、月に2,000ドルを超えてしまうとその対象にはなりません。敷金(security deposit)は、通常家賃の1から2ヶ月分ですが、契約終了時にアパートの破損修理にかかる費用を差し引かれた上で戻ってきます。トラブルを避けるために、サインをする書類に目を通し、書類のコピーを忘れないようにしましょう。契約の際に目を通しておきたいのは、ビルの規則が記してある「rider」という項目です。「ゴミを出す日」、「ペット厳禁」の他、「壁に画鋲を刺したら罰金」などと書いてある場合もあるので注意しましょう。

入居

まず電気、電話、ケーブルテレビなど、必要に応じて手配、郵便局に住所変更の手続きをします。また、銀行、その他メンバーシップを持っている施設やサービスにも変更手続きを速やかに済ませましょう。

トラブル

水道や電気などのトラブルは、通常アパートの管理人(Super)や、ビルで専用に雇われているエンジニアが対応してくれます。アパートを巡る諸問題などが改善されない場合、ニューヨーク市の窓口(311)に相談することもできます。災害などで損失があった場合、大家やアパート管理会社は個人の所持品などを弁償してくれないことが多いので、個人で火災保険に入っておくのが安心です。また、大家に問題対策を求める場合には、手紙など紙面にするのが得策といえるでしょう。

住居の購入

購入に関する大まかな流れ

①専任ブローカーを選定 → ②資金計画を立てる → ③希望条件を明確にする → ④物件を探す → ⑤物件の見学 →  ⑥購入の申し込み → ⑦売買契約 → ⑧入居申請 → ⑨最終物件引渡し(クロージング)

ニューヨークには様々なタイプの物件があります。物件の特性に詳しく、またローン(モーゲージ)の借り入れや不動産専門弁護士などについて知識のある専任ブローカーを選定することにより購入がスムーズに行えます。

の資金計画をしっかり立て、上限を把握しておくことが大切です。ニューヨークの人気物件は、ぎりぎりのオファー価格では購入までに至らないケースが多く、また物件の購入に必要な諸経費をあらかじめ計算しておくことで、頭金に使える予算などを明確にしておきましょう。

物件購入に関する諸経費
基本的にかかる費用は、手付金(通常は物件価格の10%)、弁護士料、権限/タイトル保険料(物件価格の約0.5%~0.7%)、登記費用、管理会社・組合書類審査費用($1200~)、管理費調整分(1~3ヶ月分)、固定資産税調整分(1~3ヶ月分)ですが、ローンで購入する場合には、これに加え、銀行手数料、銀行弁護士費用、査定費用、ローン申請費用など、固定資産税エクスロー(2~6ヶ月分)、モーゲージリコーディングタックス、モーゲージタイトル保険などがかかります。また、新築の場合はさらに譲渡税などの税金が加算されます。

上記の②をしっかり把握し、希望条件にあった物件選びの準備をすすめましょう。

物件の選定では、アメリカでは学区により学校のレベルや特徴が違うので、お子様のいるご家庭では学区なども考慮に入れましょう。

物件の見学は、日当たり、周囲の環境、間取り、ビルの管理状況などの内覧の他、駅までの距離や買い物の便、治安、将来性などを主にチェックします。

気に行った物件が見つかったら、購入の申し込み(オファー)を入れます。その際、希望購入価格や支払い方法などを引渡し希望日、リノベーションやアップグレードなどの希望があれば、その旨を家主に伝えます。その後、売り手側から販売希望価格やローンの可否可や引渡し日などの交渉があります。

交渉が成立したら、売買の契約になります。売買契約と引渡しには弁護士が必要となります。弁護士が担当する業務は、契約内容の確認と交渉、物件の所有者名義や抵当権の有無の確認やその他クロージングまでの各種書類の調整と確認です。契約が決まったら、ローンの手続きと申請をし、頭金を支払います。

入居申請手続きに関し、コープとコンドミニアムには管理組合があるので、入居に際しては管理組合の承認が必要になります。管理組合は売買価格において相場を反映しているかどうかを見て承認し、もし相場よりかなり低い場合は管理組合が同じ条件で買い上げる権利(Right of first Refusal)を行使する場合もあります。コープは管理組合の承認の後に、面接がある場合もあります

クロージング(物件引渡し)に際しては、売主、買主(クロージングに立ち会えない場合は、事前に委任状を手配しておく)、それぞれの弁護士、モーゲージ会社、あるいはその弁護士、タイトルカンパニー、不動産の営業担当者が立会います。クロージングでは買主が売主に残金を支払い、売主は買主に譲渡証(DEED)と鍵を渡します。引渡し後、弁護士より、支払明細書、譲渡証書、モーゲージ等の書類が買主に渡され、売買の手続きが完了します。

契約書やタイトル調査結果、クロージング関連費用をまとめたクロージングメモは税金申告の際に必要になるので大切に保管しましょう。

不動産関連用語

A/C エアコン Hwf (hard wood floors) 堅い木製の床
Amenity ビル付属のスポーツジム等施設 Indry (in laundry) 建物内にランドリーあり
Alcove 壁の作りを利用したエキストラスペース Landlord 大家
Availimmed
(available immediately)
即入居 Lease 契約(書)
Bkyd (backyard) 裏庭 Lease break 中途解約
Blt in (built in) 作り付け LDRY (laundry) ランドリー
BSMT (basement) 地下室 Low fee 安い手数料
BR (Bed Room) 寝室 LUX (luxurious) 豪華な
Broker Fee 不動産手数料 Master bedroom 主寝室
BRSTN (brownstone) ブラウンストーン張りの Mbl bth (marble bath) 大理石の風呂
COND (condition) 状態 Open house 内覧会
Common Charge アパートの管理費 Refs Req'd (references required) 保証人が必要
Corner Apartment 角部屋 Reno (renovated) 改築修理済
DA (dining area) ダイニング・エリア Rent 家賃
DEN 書斎 Post War 第二次世界大戦後建築のビル
DIST (district) 区域 Pre War 第二次世界大戦前建築のビル
Dwntwn (downtown) ダウンタウン Roof deck 屋上
D/W (dishwasher) 食器洗い機 Security Deposit 敷金
DWN (down) 頭金 sf, sqft (square foot) 平方フィート
DRMN (doorman) ドアマンのいるビル Sec bldg (secured building) 防犯設備付きビル
EIK (eat in kitchen) 食卓のおける広いキッチン Shrs ok (shares ok) ルームメイトとのシェアOK
Elev bldg (elevator building) エレベーター付ビル Spac (spacious) 広い
Exposure 日当り、部屋の向き Stor (storage) 収納庫
expo brk walls (exposed brick walls) むき出しレンガの壁 STU (studio) ワンルーム
WIC (walk in closet) 大型クローゼット Tenant 入居者
e/w expos (east/west exposures) 東西両側から日が射す Twnhs (townhouse) タウンハウス
FLR (floor) Unfurnished 家具なし
Foyer 玄関スペース Walk-Up エレベータのないアパート
FP (fireplace) 暖炉 WBF (will be for $〜) おそらく$〜で
Furnished 家具付き W/D (washer/dryer) 洗濯機/乾燥機
Grt cls (great closets) 収納多し WIC (walk in closet) 大型クローゼット
Guarantor 保証人、ギャランター    

引っ越しに必要な手続き

電気会社

コン・エディソン(Con Edison): 800-752-6633

www.coned.com

電話会社

ベライゾン(Verizon): 800-VERIZON

www.verizon.com

郵便局

転居・転送サービスの手続き:800-275-8777

moversguide.usps.com

ケーブル会社

スペクトラム(タイム・ワーナー・ケーブル)(Spectrum(Time Warner Cable)):
800-892-4357

www.timewarnercable.com

アールシーエヌ(RCN): 800-RING-RCN

www.rcn.com/new-york/

ベライゾン(Verizon): 800-Verizon

www.verizon.com

衛生テレビ

ディレクTV(DirecTV):800-531-5000

www.directv.com