生活に役立つ情報
ここで紹介するのはアメリカにおける一般的な冠婚葬祭のマナーと習慣です。ニューヨークは他州に比べて特に人種や宗教が多様な場所なので、違う文化やしきたりが対象の時は同じ習慣をもつ人にアドバイスしてもらいましょう。
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結婚式のマナー
日本でいう婚姻届の提出にあたるのが、アメリカの結婚式。キリスト教信者など宗教のあるカップルは教会で式を行いますが、基本的には、資格を持った人の前で証人と共に結婚を誓うことで法的に夫婦と認められることになります。そのため、形式にとらわれがちな日本の結婚式と違って、お金をかけず合理的に行われることが多く、場所も市役所のほか自宅、公園、レストランなどと多様。披露宴も日本のようにかしこまっておらず、歓談やダンスを中心に参列者が楽しめるパーティとなります。
招待されたら
招待状はふつう、郵便で送られてきます。日時と場所が書かれた手紙と一緒に出欠を確認するカードが入っているので、必ず返信する必要があります。万が一返信用のカードが入っていなくても“RSVP”と書かれていたら出席の返事をしなくてはならず、欠席の場合も返事をしないのは失礼な行為となります。また、“and guests”と書いてある場合は友人等も同伴してもいいということですが、その際は一緒に行く人の名前も添えて返信してあげると親切です。
服装
招待状に“カジュアルな服装でお越し下さい”と書いてある場合は本当にカジュアルでOK。逆に“White Tie”と書かれている時は第一礼装の燕尾服、“Black Tie”ならば準礼装のタキシードか、ディナージャケットと黒いネクタイを着用しなくてはなりません。また、“Black Tie Optional”と書かれていればビジネススーツでも良いということになります。特に指定のない場合は関係者に確認するのをお薦めしますが、一般的には紺またはグレーのダークスーツが良いでしょう。アメリカでは黒いスーツを着るのは親族と近い関係者のみだからです。女性の場合は昼間なら普通丈のドレスやお洒落なブラウスとスカート、夜に行われるフォーマルな式ではロングドレスが一般的。黒はできれば避けたい色ですがドレッシーなデザインで喪服を連想させるものでなければ大丈夫。また、白やアイボリー以外で花嫁よりも目立たないように気を使うのもマナーです。
お祝い
キッチン用品や写真立てなど新居で必要と思われるギフトにカードを添えて、披露宴/パーティー会場に持って行くのが一般的。結婚式の前であれば新婦の実家に送るのがしきたりで、披露宴の場合はギフト用のテーブルに置いておきます。アメリカには、カップルがデパートやキッチン、生活用品などのショップに欲しい物を登録し、贈る側がその中から予算に合った物を選んでプレゼントするといったウエディング・レジストリーという仕組みもあり、登録している時はその旨が招待状に書かれています。その場合はお店で新郎新婦の名前を告げてリストをもらいましょう。値段の相場は付き合いによって50ドルから100ドル位が一般的ですが、高価な物を贈りたい時は友達同士で出し合うのもひとつでしょう。また、生活用品がすでに揃っていたり、新居を購入する予定があったり、結婚後日本に引っ越すというカップルには商品券や現金を贈っても喜ばれます。ちなみに、包丁や偶数など縁起にまつわるタブーはありません。他にも、結婚式の2週間から1ヶ月前に花嫁のためだけのブライダルシャワーというパーティを開くことがあります。このパーティが行われる時は、そこでギフトを持ち寄るのがならわしとなっています。
披露宴
アメリカならではの披露宴のしきたりは是非知っておきましょう。習慣の意味を知って一緒に盛り上がったり、参列者が参加するものでは恥ずかしがらずに前に出て一緒に楽しむことも祝宴でのマナーといえるからです。
ケーキ
ウェディングケーキはまず、一口サイズ以上のケーキを花嫁と花婿がお互いに食べさせ合います。ここは、口の周りがクリームだらけになったりして笑いを取る部分。招待客に分ける残りのケーキは幸せを配るという意味合いがあるので、満腹でも口をつけるのがマナー。
ダンス
披露宴会場では、宴会場でも自宅の庭でもノリノリの音楽や生演奏が流れ、花嫁、花婿は勿論のこと、両家の両親から参列者までダンスを楽しみます。
ブーケ投げ&ガーター投げ
披露宴の終わり近くになると未婚女性を前に集めて、花嫁が後ろ向きになってブーケを投げます。一方、花婿は未婚男性を集めて花嫁が付けているガーターを脱がして男性客に投げます。これを受け取った人が次に結婚できると言われているのでとくに必死の人もいたりします。
引き出物
日本のように引き出物の習慣はありませんが、ささやかなお菓子類が参列者に配られることがあります。白いアーモンドをレースで包んだものを女性参列者に配るのは子だくさんという意味。また、グルームズケーキというドライフルーツのケーキが配られたら、未婚女性はそれを一切れ枕の下に忍ばせて。するとその晩の夢に、未来のお婿さんが現れるというステキな言い伝えがあるそうです。
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お葬式のマナー
アメリカでは著名人でなくても故人の家族によって地元新聞の死亡広告(Obituary Page)に告知が掲載され、そこで場所や日時などの詳細が確認できます。葬式は故人の自宅で行われるというのはまれで、殆どがフュネラル・ホーム(Funeral Home)と呼ばれる葬儀場で、またキリスト教では葬儀場付設のチャペルや教会などで行われます。日取りは死亡した日から2から10日以内で、それまでの間は葬儀の行われる会場で通夜(Wake)にあたるViewingが行われます。このViewingでは親族に御悔やみを告げ、棺が開いていたら故人に自分の好きなようにお別れをします。日本の通夜のように一晩中一緒に過す必要はありません。
知らせを受けたら
電話や新聞の死亡広告によって知らせを受けたら、案内に特別な断り書きがない限り、"With the deepest sympathy"あるいは"In loving memory"という追悼メッセージを記したカード(Mass Card)を添えて、葬儀の行われる教会や葬儀場にお花を贈ります。“埋葬は親族のみで”と書かれていなければ参列者も受け付けるということなので、その際にお花を直接持参しても構いません。
お香典
アメリカではカードを添えた献花が香典代わりとなり、生花を受付けてない場合はカードのみを贈ります。日本のように金銭を渡す習慣はありませんが、家族の選んだ慈善団体に寄付したりすることもあり、その場合は死亡広告に方法が書かれています。
服装
黒一色の喪服を着るのは遺族と葬儀屋だけで、会葬者の場合は、男性はダークスーツに黒のネクタイが一般的です。女性は地味なスーツであれば構いませんが、なるべくおとなしい色やデザインを選び宝石類も控え目に。
日本人の葬儀
日本人の葬儀の場合は、一般の会葬者も喪服を着て、現金の入った香典を渡すという日本の習慣に従うところが多いです。香典は不祝儀袋に入れて“御霊前”と表書きをし、使用済みのお札を入れます。アメリカでの香典は親しさの度合いによって30ドルから100ドル程度です。
*ここにある冠婚葬祭のマナーは、あくまで一般的なもので、宗教や宗派などによって違いはあります。
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カードと贈り物の習慣
アメリカ人はよくカードを贈ります。ホールマークなどのカードストアに行くとそれぞれの機会に合わせた文章が豊富に揃っています。日本では手書きや手作りのカードでないと気持がこもっていないと思われがちですが、こちらでは市販のカードに自分のサインをしてあげるだけで充分喜ばれます。相手の文化を考慮して、場合によっては宗教色の強くない無難なカードを選びましょう。
カードを贈る日
バレンタインデー(2/14)
お菓子やお花と一緒に、男性から女性、親から子供へなど愛する人へ。義理チョコの習慣はありません。
イースター(春分あとの満月の次の日曜)
キリスト教信者の近親者や親しい人へ。パーティに招待されたらキャンディやお花を一緒に持って行きます。
サンクスギビング(11月第4木曜日)
家族でローストターキーやジャガイモの並んだ食卓を囲み、収穫と家族の絆を確認しあいます。この日に会えない近親者にもカードを贈ります。
クリスマス(12/25)
お世話になっている全ての人にカードを贈ります。プレゼントも親しい人と近親者に。また、アパートのドアマンにはクリスマスチップを封筒に入れて渡します。相場は20ドルから100ドル位ですが同じビルに住む親しい人に確認するとよいでしょう。
母の日 (5月の第2日曜日)、父の日(6月の第3日曜日)、祖父母の日(9月、レイバーデー後の第1日曜日)
花束やギフトを添えて。日本ではカーネーションですが、アメリカではバラが主流です。
ベイビーシャワー
子供が産まれる前に女友達が集まって開くパ−ティー。ベビー用品やおもちゃのプレゼントを持ち寄ります。
その他
何かのお礼(Thank you)、卒業(Graduation)、誕生日(Birthday)、結婚記念日(anniversary)、お見舞い(Get well)、出産(New born baby)、洗礼(Baptism)など
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