有罪の記録と移民ステータスへの影響について 〜アメリカでの犯罪歴が生活を脅かす〜
永住権・就労ビザは持っていても、アメリカ国籍を持っている米国在住の日本人はそれほど多くないでしょう。アメリカ国籍を持たない人が罪を犯した時、移民ステータスへの影響はどうなるのでしょうか?
一生残る個人情報
- アメリカはデーターベース化が非常に進んだ国で、想像を超える様々な情報まで記録として残ります。犯罪者の情報を統括するのが、NCIC: National Criminal Information Centerと呼ばれる電子化されたデーターベースで、連邦検察関係者だけでなく、州や市町村の警察関係者も24時間いつでもアクセスできるようになっています。このデーターベースには採取された犯罪者の顔写真や指紋を含む様々な個人情報が登録され、記録は一生残ります。
強制送還、再入国拒否、ステータスの更新拒否の可能性
- アメリカで罪を犯し、有罪判決を受けた場合、その記録が全てNCICに登録されます。アメリカ国籍を持たない人がまず注意すべきは、この有罪の記録が非常に高い確率で、将来の移民ステータスに影響する可能性があるということです。これは永住権を持つ人にもあてはまります。犯した罪の重さによりその影響は異なりますが、具体的には強制送還、再入国拒否、永住権やその他各種ビザの更新の拒否などが考えられ、たった一度の過ちでも、記録の内容によっては、アメリカでの生活を失う可能性があります。
就職活動やアパートを借りるにも不利に
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前科の影響は、移民ステータスだけとは限りません。多くの企業は安全確保のために、雇用をする際、候補者のバックグラウンドをチェックし、前科の有無を調べます。有罪の記録が出てきたら、例えステータスには影響がなくても、就職活動では非常に不利になるでしょう。競争率の激しい大企業、金融関係、医療関係など免許を必要とする職種においては、前科があれば就職することは非常に難しいと一般では考えられています。
さらに有罪の記録がクレジットレポートにも反映され、そのせいで車や住宅ローンが許可されなかったり、アパートの賃貸を拒否されたということも報告されています。
専門家に相談する重要性
- 一般に犯罪は、州 (State) レベルの犯罪と、連邦 (Federal) レベルの犯罪があります。どちらの場合であっても逮捕されたら、必ず逮捕された州の刑事弁護士に相談しましょう。そして、アメリカ国籍を持たない場合は、その弁護士に移民ステータスへの影響について必ず確認をしましょう。こうしたことを怠ったために、有罪判決を受けてから里帰りなどでアメリカを出国し、その後再入国しようとして空港で入国拒否をされるケースが多く報告されています。
このように、アメリカで前科があるということは、アメリカの滞在資格を失う可能性と共に、生活の様々な側面において影響を及ぼします。
日頃から自分の記録に関して最新の注意を払い、何か間違いを犯したときには移民法に詳しく、刑事裁判を専門とする弁護士に相談することをお勧めします。
日頃から自分の記録に関して最新の注意を払い、何か間違いを犯したときには移民法に詳しく、刑事裁判を専門とする弁護士に相談することをお勧めします。
取材協力
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